野良おばけ先生のBL漫画『165185』この作品は、身長差カップルの恋愛模様を繊細に描いた作品で、読む前からとても楽しみにしていました。
『165185』あらすじ
物語は、高校の卒業式の日から始まります。
身長165cmの主人公、日下部誠(くさかべ まこと)は、ずっと憧れていた同級生の遠山聖(とおやま ひじり)に思い切って告白します。
遠くから見ているだけで満足していた誠にとって、告白は自分の気持ちに区切りをつけるためのものでした。
しかし、驚いたことに聖からOKの返事をもらい、二人は恋人同士となります。
大学生となった二人は、別々の学部に通いながらも、少しずつ距離を縮めていきます。
誠は理学部、聖は社会学部に在籍し、それぞれの生活を送りながらも、お互いの存在が日々の支えとなっていきます。
そんな中、聖の友人が誠に会いに来る場面もあり、二人の関係性や聖の過去が少しずつ明らかになっていきます。
『165185』レビュー
『165185』は、タイトルが示す通り、身長165cmの誠と185cmの聖の身長差が特徴的なカップルの物語です。
この身長差は、二人の関係性や個性を際立たせる要素として巧みに描かれています。
まず、誠のキャラクターについて。彼は内向的で控えめな性格ですが、聖への想いはとても純粋で一途です。
告白する勇気を持ち、恋人同士になってからも聖との時間を大切にしようと努力する姿が印象的でした。
また、彼の成長や感情の変化が丁寧に描かれており、共感しやすいキャラクターとなっています。
一方の聖は、明るく社交的で、誰からも好かれるタイプの人物です。
しかし、誠に対しては特別な感情を抱いており、彼を大切に思う気持ちが伝わってきます。
聖の過去や内面の葛藤も描かれており、単なる「完璧な人」ではない人間味が感じられました。
二人の関係性は、初々しさと温かさに溢れています。
特に、初めてのアルバイトや旅行など、二人で経験する「初めて」の出来事が物語を通じて描かれており、その度に関係が深まっていく様子が微笑ましかったです。
また、身長差を活かしたシーンや描写が多く、読者としてもキュンとする場面がたくさんありました。
作画についても触れたいと思います。野良おばけ先生の絵は繊細で美しく、キャラクターの表情や仕草がとても魅力的に描かれています。
特に、感情が高まるシーンや二人の距離感を表現する場面では、その絵の力が存分に発揮されており、物語の深みを増しています。
全体を通して、『165185』は、純粋で温かいラブストーリーとして心に残る作品でした。
身長差カップルの魅力や、二人の成長、そして恋愛の喜びや悩みが丁寧に描かれており、多くの読者が共感できる内容だと思います。
また、BL作品としてだけでなく、恋愛漫画としても高い完成度を持っており、幅広い読者層におすすめできる一冊です。